GHL003 黑田专栏
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ガンダムビルドファイターズ情報局 第3回
text:黒田洋介
実は、ビルドファイターズの放送が始まってから、作品内容について友人や知人、仕事先の人からいろいろと質問をされ…もしかしたら、みなさまも疑問に思っているのではないかと考え、私が受けた質問を軽くQ&A方式で書いていきたいと思います。
Q.ガンプラはどうやって動いてるの?
A.プラフスキー粒子が、ガンプラの機体表面(専用塗料&プラ部分)に反応し、粒子を動かすことで、ガンプラも動くという設定です。糸(粒子)で操る人形(ガンプラ)だと解釈してもらえばわかりやすいかと。
Q.セイのガンプラには、金属パーツが使われていましたが?
A.セイが、ガンプラに金属パーツを使っているのは、ビームライフルの銃身や、バーニア等の内側部分だけです。粒子出力が強化するので、最大出力時の「プラの歪み」を抑制し、正しい挙動ができるように金属パーツを使用しているのです。機体表面が金属だと、前述した通り、ガンプラは動きません。
Q.パテやプラ板を使うと、ガンプラは動かなくなるの?
A.この時代には、粒子対応型の専門塗料、プラ板、パテ等が売られており、自由度の高い改造ができるという設定にしています。
Q.アニメに登場するモビルスーツは、誰が決めているの?
A.スタッフによる話し合いのうえで決定しております。バンダイさんからのオーダー、作劇に必要だと私が判断したい上での登場、メカデザイナー様や、演出家&アニメーター様の趣味…さまざまな想いが多彩なモビルスーツを登場させているのです。
Q.なんで1話でギャンを出したの?
A.私が脚本を担当したOVA『模型戦士ガンプラビルダーズビギニングG』の完成後、担当プロデューサーから「ギャンとドムのカットが飛ぶように(アニメーターさんに)ハケた」と伺ったからです。そんなに描きたいと思われているなら出そうと思って、サザキのガンプラをギャンにしました。ドムにしなかったのは、1話で登場する敵役としては、見た目が強すぎると判断したためです。
Q.時代設定はいつ頃なの?
A.近未来だと設定しています。ですから、今現在、ガンプラとして発売されていない機体も、物語の時代では発売されているという考えでいます。漫画「ケロロ軍曹」の中にMGギャンが出てきましたが、漫画連載当時、MG版は発売されていませんでした。それと同じ解釈だと思っていただければ幸いです。みなさんで作品を盛り上げていただき、是非とも「マンダラガンダム」が発売されるような、明るい未来を作りましょう(笑)。
Q.ビルドファイターズに、他作品のメカが出たりしましか?
A.それはありません。出してよいと言われたら、迷わずバイファムにします(笑)。
Q.結局のところ、レイジは何者なの?
A.本編をお楽しみください。
Q.セリフの端々に、「ダブルオー」っぽい匂いがするんですけど。
A.これはしょうがない。どうしようもなく、しょうがない(笑)。脚本を書いている人間が同じなんだから、似たようなフレーズは出てきますって。正直、ダブルオーっぽいセリフを、意図的に書こうとしたシチュエーションは少ないです。それでも出てしまうのは、アレですね、私のエゴですね(爆)。
Q.セリフの端々に、「スクライド」っぽい匂いがするんですけど。
A.ですから、私のエゴなんです(爆)。
Q.セリフの端々に、「無限のリヴァイアス」っぽい匂いがするんですけど。
A.ですからぁ…(以下略)。
Q.旧作キャラは、ラルさん以外に出さないって言ったくせに!
A.おおぅ、少し誤解があるようです。完全レギャラーで、役者さんも同じ…という意味で、ラルさんは唯一無二の登場キャラクターです。単発での登場なら、演出家さん、アニメーターさんが、色々遊んでくれていると思います。私も見るのが楽しみです。
Q.作中でガンプラ制作講座みたいなものが入っていればいいと思うのですが。
A.この質問はリアルですね。確かにその要素は必要だと思っていました。ですが、悩み抜いた末に、その要素はシリーズ中盤まで入れないことにしました。なぜかというと、この作品で「初めてガンダムやガンプラを知った人たち」のことを考えたためです。その方々には、とにもかくにも、まず、ガンダム(ガンプラ)やキャラクターの活躍を見ていただき、かっこいいと感じてもらったり…ようするに、興味を持っていただきたかった。その前提がなければ、ガンプラを手に取ってもらえないと思ったのです。流れとしては、アニメを見て興味を持った→模型店に行って買ってきた→説明書通りに作った→よりよく作りたい→ガンプラ制作講座…ではないかと。この考えが、絶対的に正しいかは分かりませんが、少なくとも、私の子供時代はそうでした。
そのメカを手にしたという、プリミティブな欲求を抱いてもらえるフィルム作りこそ、我々スタッフが優先的になさねばならないことだと考えたのです。
余談ですが、私が脚本を担当した『模型戦士ガンプラビルダーズビギニングG』には、作中にガンプラ制作のハウツーが描かれています。それは、この作品が模型店での店頭上映を主にしたり、OVAで発売される企画であったからです。テレビ放映作品であるビルドファイターズとは、企画意図が根本から違っていることを明記しておきます。